探偵みたいな高校生達(THIRTEENTH CASE)

謎解き(1/5)


駿「お前のこのトリックは、前回の盗みの失敗から始まっていたんだ。あの時、お前は突然のハプニングによって盗みが失敗した。他の人は喜んでいたよ。お前の仕掛けた第一の心理トリックってことも知らずにな」


T.J「……」



Time Jumperは黙っていた。静かにしているってことは、オレの推理を聞こうという意味だろう。


駿「お前は第一回目のトリックを使うことで、心理的刷り込みをした。これが第二の心理トリックだったんだ。今回も同じような状況だから、前回のトリックが頭から離れないのは当然のことだ。そして、お前はダメ押しでこう言ったんだ。『偽物とすり替えられてる』ってね。
扉が開いていたら、誰もが扉から逃げたと思う。それで誰もいなくなってから、お前は余裕でそれを盗ることが出来るって寸法だ。ご丁寧にボイスパスワードを解除するために、赤井警部の声を録音してな」


オレは歩きながらTime Jumperに近づいた。


駿「オレは3人の人間が、ありえないことを知っていたのを聞いた。それでオレはある1つの考えが浮かんだんだ。いきなり盗みに来ても、仕掛けを知っていれば盗むのが簡単だ。この場にいなくても仕掛けを知る術――声を聞けばいいんだ」


オレが探していた“あるもの”――それは盗聴器だ。


駿「しかし、それは見つからなかった。つまりあの3人は犯人じゃないってことだ」
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