狗神の弟子
[不思議な映画館](1/8)


私と母の顔はよく似ている。



母子であれば当たり前だろうと、人は言うだろう。


でも、それでは説明がつかないほどにそっくりなのだ。



若い頃の母のクローン、そう言っていいいかもしれない。


母と違うことと言えば年齢だけ。



外見だけならまだしも、癖、好み、すべて母と同じ。



父親はいない、母以外父親に会ったことすらないという。



そんな私を親戚や祖父母は気味悪がり嫌った。




母だけは私に優しくしてくれた。



『百合は百合、お母さんはお母さんよ。』と笑いかけてくれた。



母だけは私を愛してくれている、そう信じて疑わなかった。



あの時、私があの質問をするまでは....。




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