陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜〈上〉
[☆第ニ集](1/13)
「紫苑。」
ある日。紫苑が自宅で寛いでいると、聞き慣れた声が聞こえた。
紫苑「清秋兄ちゃん!どうしたの?」
声が聞こえた方を振り返ると、そこには美しい男性がいた。年齢は、20歳前後くらいの若い男性だ。
清秋「近くで出張の仕事があってな。久々にお前や叔父さん叔母さんの顔見たくなったんだ。」
紫苑「そうなんだ。ほんと久しぶりだね!」
清秋「ああ。この間、伏見に来たんだろ。なんで本家に来なかったんだよ。」
紫苑「だって…その二日後は学校だったから早く帰りたかったんだもん。」
この、紫苑が親しげに話す男性は、名前を安倍 清秋といい、実は紫苑の従兄(いとこ)なのだ。
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