幸せのカタチ

□いくつもの交差(1/30)

「高野さん、チャンネル替えて下さい」


「無理」


つりぼりデートから数日
高野さんの仕事も落ち着いた様で


二人で夕飯を食べて
食後にまったりテレビ観賞なんかして


生物学者のくせにオカルト好きな事を知った



「こういうのって、テレビで観ただけでも呪われるんですよ!!」


「あほか」



むぅぅ………


仕方がない


先に食器洗っちゃお



ピロピロ…ピロピロ…
ピロピロ…ピロピロ…


「お前のスマホ」


「あ、はい」


もうすぐ洗い終わるというところで
珍しく電話が鳴った


ん…?


太一君?


「もしもーし、太一君?」


『葵ちゃん、ごめん、今大丈夫?』


「うん、大丈夫だよ、どした?」


『実は…葵ちゃんの元彼さんが来てて…』


「…え?」


『葵ちゃんに会いたいって言ってて、何回も無理だって断ってるんだけど、居座っちゃって』


「…うん」


『とりあえず、さっき新堂さんに連絡してこっち向かってるとこなんだけど、一応葵ちゃんにも連絡する様に言われて、後は葵ちゃん次第なんだけど…どうする?』


遅かれ早かれ…
いつかは話さなきゃいけないと思ってた


新堂さんも居るんなら…


と思ったが、
最後に新堂さんに会った時の事を思い出した



……気まずい



でもそんな事言ってる場合じゃない


「わかった…行く」


『そっか…多分新堂さんもうすぐ着くはずだから』


「うん、わかった、ありがとう」


………

………



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