幸せのカタチ

□甘い誘惑(1/24)

「だからさぁ喜多川ちゃん、やっぱり若いってのはそれだけで武器になるのよ、ただ生きてるだけじゃ勿体無いわけ、ほら、あんな風になりたくないでしょ〜?あはははは!!」


隣のおっさんがお局社員を指差し豪快に笑う

ちっとも面白くねぇよ


「いいえ、私はとても尊敬してますよ」ニコッ


あ〜、早く帰りたい…
これだから来たくなかったんだよ


週末、会社の飲み会で
見事に中間管理職のおっさんに絡まれかれこれ一時間半


初めて見る顔もチラホラ…
取引先の人だろうが、積極的に絡む気にはなれず
ただひたすら酔っぱらいの相手に徹する


早く高野さんに会いたい


「お疲れで〜す」


皆さんだいぶ出来上がったところで
後ろから軽めな挨拶が聞こえてきた


だいぶ遅刻してますけどね…っと



え…、ええええええ?!?!



誰が来たのかと、振り向くと、
そこに見知った顔があった


いや、似てるだけかもしれない…
世の中には似てる人が三人居るって言うし


と思いつつ彼を凝視していると
バチッと目が合った



ニヤッ…



は!!ニヤッて…まさか本当に…



…………新堂さん?!





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