10も年下のあの子に恋をした

○想像通り(1/4)









「三浦くんっ!」

「けー番交換しよ!」

「私も私も〜」

「待って〜!!」

廊下をずらずらと行進するように歩く、三浦と女子の百鬼夜行。

凄いな、と心の中で呟く。

思った通り、三浦は入学式の次の日にはすでに大勢の女子に迫られていた。

中には上級生の女子生徒や…男子生徒までいるのはどういうことか。

当の本人である三浦はまったく気にしている様子はなく、追いかけられるのに慣れているようだ。…昔からこうなのかな。

「あ、センセ」

「三浦…」

俺をみつけた瞬間、パッと表情を明るくして駆け寄ってくる三浦。

三浦のうしろに何十人もついているせいか、生徒たちにリンチされている気分になる。

「センセって、教科なんだったっけ?」

「国語ですよ」

「あ、じゃあ次の次だ」

よく時間割を覚えているな。と、少し驚く。

時間割なんて、その授業の前の休憩時間に確認し教科書等を準備をすればいいので覚えていない生徒がほとんどだ。

そういえば、三浦はかなり頭がいい。

実力テストでは5教科で450点超だったほど。

さらに中学の頃はサッカー部の主将を務めていたらしく運動能力に長けていると聞いた。

入学式の件で“良くない生徒”として目をつけられそうになったが、今では教師の間でもすっかり“優秀な生徒”になっている。

「じゃ、また。次の次ね」

「あぁ」

バイバイと、俺に軽く手を振って、俺の横を通り過ぎていく。

そのうしろを、やっぱり女子生徒たちはぞろぞろとついていった。

「本村先生って、三浦くんと仲いいんですねぇ〜!いが〜い!」




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