ぼくとマイク
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僕は子供の頃からしばしば空想にふけることがある。お風呂に入っている時や、眠る前なんかはとびきり深く空想するので、しばしばここが現実かどうか困ることがあるくらいだ。僕の空想癖は、大人になって仕事を始めてから時折ネガティヴな内容で頭に浮かんでくるようになり、仕事がハードになるほどそれが酷くなった。毎朝スーツを着て鏡を見ると、心の底からドンヨリとして一歩も動けなくなってしまう。だから目の前にマイクが現れたときは、僕は本当に自分がどうにかなってしまったのかと思ったくらいだ。幸いそうではなかったけれど、僕の毎日が永遠にこうやって続く限り、そうなってしまう日がくるかもしれないと思うと、僕は憂鬱でたまらなくなる。
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