ホストとキャバ嬢の恋愛事情。
[さよなら](1/4)
家について龍の部屋でどう話を切り出そうか考えていた。
「どうしたの?(笑)優愛なんか変じゃん」
龍は笑ってそう言った 。
「あのね…」
あたしはところどころ言葉を詰まらせながら龍に言った。
やっぱり付き合ってみて何も変わらなかったし龍の言う通り仕事に支障がでてきている。今、あたしには彼氏は必要ない。
そういった。
最後の最後まであたしは悪役になった。
なにも変わらなかった、なんて嘘。龍はあたしのために時間を作ってくれるようにもなった。あたしが出かけたいと言っていたディズニーランドも連れて行ってくれようとしていたのも知っていた。
なのに別れる理由を龍のせいにした。
龍は何も悪くないのに。
そんな理由で別れるんじゃないのに。
最後の最後まで嘘つきで最低でごめんね。
「だからもう終わりにしよう。」
あたしは結局弱虫だった。
嫌われたくないから龍のせいにして別れる原因を作った。
龍はあたしのこと大切にしてくれていたのに。
俺が負担かけていたんだな、ごめんな。って。
その言葉を聞いた瞬間、涙が出た。
"龍は何も悪くないんだよ"って言いたかった。
でも言えなかった。
もうあたしのことは忘れてどうか幸せになってください。
龍ならきっと素敵な人と巡り会えるよ。
「今までありがとう。ばいばい」
もうほんとにほんとに二度とここへ来ることはない。会うこともきっとない。
狭い街だからどこかで出会うかもしれないけど"友達"には戻れない。戻らない。
きっと同じことの繰り返しだから。
また龍に会いたいと思ってしまうかもしれないから。
これがほんとのさよならだよ。
大好きでした。
- 46 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
[編集]
[←戻る]