ホンモノを教えてあげる
[違和感](1/9)
第三章

【違和感】



「ねぇ
どこからが浮気だと思う!?」


金曜日の昼休み。

教室で実和の言葉に胸が痛んだ。


「何急に」


「昨日彼氏とそういう話してたからさ。
あたしは女の子と連絡とるだけでもヤキモチ焼いちゃうのね。

でも
浮気ではないでしょ?

で、
どこから浮気かなって」



「うん…」


「あたしは
手つないだら浮気だと思うの!
どうでもいいコとはそんなことしないじゃん」



「うん」



「綾音はどこからが浮気と思う?」





「…

気持ちが浮ついたらかなぁ」



お弁当がうまく喉を通らない。


「曖昧だなぁ

行動だとどこからが浮気だと思う?
まずエッチは論外でしょ?」


一瞬

箸を落としそうになった。


「どうかなぁ」

「もお!
キスマークつけてたぐらいだもんね。

そんなこと考えれないくらいラブラブなんだ?
暁先輩と」


羨ましいとばからりに
あたしを睨んで見せる実和。

あたしは作り笑顔を見せた。



あたしがしたことは
浮気なんだろうか……



気持ちは
暁にあるはずなのに。


キスマークは消えても
罪悪感は
未だ消えない。




あの日から
保健室に近寄っていない。

- 25 -

前n[*][#]次n
/247 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


[←戻る]