舞えぬ雪と青い鳥 * 風香る(1/9)

「…雪ちゃん」

三日後、丞は回復した雪を連れて町に出かけた。

雪はまだ落ち込んでいるのか、ずっと寂しそうな顔をしていた
手間をかけてしまった事を引きずっているようだ。

気分転換になればいい…そんな思いで丞は雪を誘ったのだ。

近藤や山南も心配しており、時間は気にしなくていいからゆっくりしてこいと言われている。
「丞…」

「あんま、落ち込んじゃ体に悪いで?」

「…でも」

「気にすんなや。皆、心配しとるで?」

「…うん」

あれから、沖田や永倉が部屋にやって来て、話し相手をしてくれたり、井上がお粥を持って来てくれたが、それでも…気にしてしまう。

俯く雪を見て、丞は話題を変えた。

「雪ちゃん、何か食べよか?」
なんでもいいでと言うと、雪は小さく

「親子丼がいいな…」

と呟いた。

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