次の日の朝。
「雪ちゃん、今日は棒術稽古やで」
早起きした雪に先に起きていた丞が声をかけた。
「丞、眠くないの?」
「大丈夫やで。さ、準備しようや」
丞は雪に子供用の胴着を持ってきた。
「雪ちゃん、これ初めて着るよな?」
「うん」
「少し着にくいで、俺がやったるからね」
丞は胴着を身につけさせながら着方を教えていった。
「うぅ〜きつい」
「少ししたら慣れるで我慢してや。俺も着替えてくるからちょっと待っててな」
そう言うと、丞は素早く胴着を身につけ、手に棒を持ってきた
「雪ちゃん、これ使ってや」
渡された棒を雪は握りしめた。
少し重い。
「じゃ、行くで」
丞の後について雪も庭へと向かった。
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