はっと目を覚ますと知らない部屋に寝かされていた。
「ここ…どこ?」
「お!気がついたみたいやな。お嬢ちゃん」
あの薬売りの声がした。
「…あ」
「疲れとったみたいやな。具合…どうや?」
「大丈夫…」
雪が呟くと、薬売りは名乗り出した。
「俺は山崎丞。壬生浪士組の監察方や」
「みぶ…ろうしぐみ?」
「まぁ、将軍様をお守りしとる侍達の集まりや」
雪はわかったかのように頷く。
「お嬢ちゃんは、なんて名前なんや?」
「…西條雪」
「雪ちゃんか。よろしくな。いくつになるんや?」
「八つ…」
「そうなんや。俺は十一上やからお兄ちゃん、やな」
人懐っこい笑顔を浮かべる丞に雪は俯いた。
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