SUMMER TIME!!



プロローグ(1/1)










その日は快晴だった。



まだ着慣れない夏服に身を包んで、気だるげな気持ちをなんとか奮い立たせて学校に向かう。



それにしても暑い。まだ6月入ったばっかだよね?衣替えとはいってもしばらくはワイシャツを袖まくりして着ることになるかなーなんて思っていたのはいつだったか。

しっかり半袖を着て露出している腕を太陽は容赦なく照りつける。



校門を越え学校の敷地内に足を踏み入れたと同時にため息が出た。

ああ、憂鬱だ。



今日もまた、つまらない1日が始まる────…





「1年3組、竪山依李!」



すでに本日何度目かわからないため息をまた一つこぼしたその時、どこからか大きな声が響いた。

わたしは思わず足を止め、その声が聞こえてきた頭上を見上げる。

だって1年3組の竪山依李(たてやま より)とは、まぎれもない。わたしのことだ。



「俺と、結婚を前提に付き合ってください!!」



眩しい日差しに目を細めた先にいる、一人の男。

一瞬裸に見えて思わず目を見開いたが、よく見れば彼は上半身だけ裸だった。下はスラックスにしてはやけにぴちっとしているような。ていうか水着?



とりあえず、彼は学校の屋上に仁王立ちしていて、その顔は確実にわたしに向けられていた。



ざわつく朝の学校。

恥ずかしげもなく半裸で屋上に立つ男。

その男に告白をされたらしいわたし。



なんだか非日常的なことがこの身に起きていて頭の整理がつかないが、そんな中一番気になることは。








──────お前誰だよ。












SUMMER TIME!!

 



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