不思議の国と俺様アリス
始まりの部屋(1/10)


――チカッ


「……ん?」




目をつぶっていたが、突然明るさが瞳に入ってきてうっすら目を開く。

すると、明らかにさっきとは違う風景が広がっていた。

落ちていきながら目に入るのは、色々な時計…壁掛け時計に砂時計、腕時計に懐中時計。

そしてぬいぐるみなんかのおもちゃも混ざっている。




「……なんだこりゃあ…」




呆然としながら言うと、それまで黙っていた少女が口を開く。




「では、私は先に行きます。時間に遅れると女王様に首を飛ばされてしまう」



「は??」




俺が少女の方を振り向いた時には、もう少女の姿はなかった。


先に行くって…どうやったんだ……


ぼんやりそう考えながら、俺は再び周りに目を向ける。



つか、ここ本当に穴の中か?



眉間にしわを寄せた時、ようやく見えてきたのは白黒のチェック柄の床だった。




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