転生

俺の焼きそばぁあああああ!!

ばっと身動きした俺に向けられた視線にハッと我にかえる。お、おおお、オイラの焼きそばが斎藤に食われる夢見た…!

って、アレ?
お、おおおおお…!

オイラ赤ちゃんになっとるやーん!

てかさ、前回死んだん?
え、出血多量的な?


「どうしたの賢太郎?」

おおおおお
またケンタロウか。またケンタロウなのかこのやろう。やんのかワレェ


「どうした?」

「賢太郎が急にぐずりだして」

「さっきまで寝てたのにか?」

訝しげに眉間に皺を入れた親父は、泣きわめいてる俺を見下ろして首を傾げる。大の大人が何してんだなんていう突っ込みが届かないことなんて分かってるもんね!

ギャーギャーと泣き叫ぶオイラを抱っこして親父は厳つい顔を緩ませて、そりゃもうキャラ崩壊だって言っても良いくらい緩ませて言った。

「おーよちよち」

おま、おまえ…!

俺を抱きかかえて高い高いと持ち上げた親父の顔を蹴ってやれば、嫌がるなよ〜なんて言いながらも笑顔で俺の頬に頬を寄せてくる。

いってーよバーロー!

髭ジョリジョリだよばかぁああ!

 抱きかかえる親父から辺りを見渡す。どうやら病院の待合室らしく、周りには俺と同じ
くらいのガキんちょ共が家族と一緒に待っているのが分かる。

その時、ナースが診療室のドアを開け声をかける。



「ヤマダさーん、ヤマダ知子さーん」

や、ヤマダだとぉおお!?

立ち上がる俺達

そして、向かう先は診療室

ま、まさか……!

カルテに書かれてある漢字を見て、驚愕した。






 山蛇

え、………山…山蛇ぁああ!?

え、何これハァ!?

ヘビでダ?

普通山田だろ、こんな名字見たことねーよ!!

ヘビに負けたの?オイラ
え、ヘビのせいでオイラ山田にまだ成れない?



嘘だろぉおおお!


転生はまだまだ続くようだ。




……おわり。

 


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