転生

「おれ、ぶらんこしてくる!」

駆け足でぶらんこに向かった俺の背に、怪我すんなよーという親父の声を聞いて思わずにへらと笑ってしまった。

これだよこれ、山田さんこれを求めてたんだよね。

普通の人間に普通の日常、前世の記憶持ってる時点で普通じゃないけど普通の子供。

うんうん、こんな人生を求めてたんだよ。山田さんちょー嬉しいよ。

「ん?」

んん?誰だアレ。
親父と話しているおっさんの顔に見覚えがありすぎてオイラびっくりしてんだけどどうしよう。

オ イ ラ に 
 そ っ く り !

え、なになになに。
めちゃくちゃそっくりなんだけど。あのどこにでも居そうな農民Cみたいな顔オイラにそっくりなんだけど。

逆にオイラの親父主人公みたいなイケメンだからさぁ。

「山田、久し振りだな」

「ああ、斉藤も元気そうでなによりだ」

ぶらんこでぶらぶらと足を揺らしながら、手を振ってくる親父に手を振り返す。

「…あれが、お前が俺に託した健太郎だ」

ん?

「……悪いな」

「いや、俺こそアイツに黙っているんだ。お互い様だろう」

んん?







「健太郎がお前の子だなんて」

んんんんんん!?




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