序章
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"あの日"まで、異世界なんて存在しないと思っていた。
魔法なんてない。
天使なんか居ない。
神様なんか、居ないんだって。
そう、思っていた。
"あの日"、異世界へ飛ばされるまでは…。
異世界では、色々なことがあったが、一番大きな出来事と言えば、魔界で仲間と共に旅をしたことだ。
旅の目的はひとつ。
ブラスト山の頂上に封印されている闇竜を滅ぼし、世界を闇から救うこと。
これは、天界の神様から直々に命じられた大事な任務…。
使命だった。
人間と魔族が入り混じる八人の旅の仲間。
道中、闇竜を復活させようと画策している悪魔族と、悪魔族に寝返ったダリア率いる組織ブラックムーンの魔族たちが、僕らを狙い襲って来る。
戦闘慣れしていない僕らを、三人の魔族たちが支えてくれることで、僕らは躓きながらも前へと進んだ。
大丈夫、きっと大丈夫。
そう思っていた。
そして、ブラスト山で…。
僕らは、任務を失敗した。
闇竜の封印は解かれた。
ひとりの天使族の男が、自分の命と引き換えに弱体化の術を闇竜に掛けたことによって、完全復活することだけは避けられたが、それは一時しのぎ。
天界の予想では二年。
二年後には、闇竜に掛けられている術は解け、完全復活するだろうと言われた。
僕らが果たせなかった使命。
あれから、そろそろ二年が経とうとしていた。
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