恋とチョコレート

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バレンタイン。

世の中の女の子は浮足だっている。

私もその中の1人。


大好きな先輩に思いを伝えるために
ずっと練習して
やっと上手にできたチョコレートを渡す。


誰かから聞いた
恋とチョコレートは同じ成分で出来てる
っていう言葉。

だとしたら、
先輩に私の目の前で
チョコレートを食べてもらって
好きになってもらうんだ。

チョコレートは媚薬。惚れ薬。


思いをいっぱい込めて作ったチョコレート。



「先輩!」

「よぉ、なに?」

「これ!あげます!食べてください!」

「おー、ありがとう、家帰って食べるよ」


それじゃ意味ない!
目の前で食べてもらわないと!


「今!今、目の前で食べてください!」

「え、今?」

「私の前で食べてください!」

「なんで?」


好きになってもらいたいからです
なんて言えない。


「味の感想を聞きたいからです」


咄嗟についた嘘。


「ふーん、俺はてっきり…」


…?


「さぁ、食べてください!」

「はいはい」


先輩が綺麗にラッピングを外す。

頑張って作ったチョコレート。



さぁ、チョコレートの魔法をかけて。



「味は普通のチョコレートだね。」

「それだけですか?」

「それだけって?」


ちょっと先輩が意地悪に笑った気がした。


「えっと…ド…ドキドキするとか…」

「んー、しない…かな?」

「え!あれ…?」

「なに、なんかいれたの?」

「いえ…いれてません…」

「入れなきゃ、ダメだよ」

「なにを入れたらいいですか?」

「気持ち…とか?」


先輩…心なしかニヤニヤしてます。


「…気持ちはいっぱい入れました…」

「んー、なら、ちょっとドキドキする」

「え!本当ですか?!」

「うん、なんのドキドキだろう?」

「それは!きっと!恋です!」

「そうかなー?
チョコレートの食べ過ぎかも?」

「え!私のチョコレート以外のやつも
食べたんですか?」

「食べてないよ、
そうだなー、これは恋かな?」

「そうです!きっとそうです!」

「なら、お前も食べなよ、
同じようにドキドキしよ」


そう言って先輩は
私が作ったチョコレートを口に含んで
そのまま私にちゅーした。

口の中がチョコレート味になる。

ドキドキする。


「どう?ドキドキする?」

「…します…ドキドキしてます…
ドキドキしすぎて胸が張り裂けそうです…
これは、きっと恋です!
先輩がチョコレートを食べさすから!
責任とってください!」

「じゃあ、お前も俺のドキドキの責任とってよ」


先輩が優しく笑うから
張り裂けそうな胸がもっとドキドキいって
私は死んでしまいそうです。

これが媚薬の、惚れ薬の副作用でしょうか?


「もちろん、責任はとります!
誰にも先輩は渡しません!」



これからもずっと責任をとりつづけますから
ずっと一緒にいてくださいね!





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