空と、君と、私と。
★[紫城隼人](1/10)
あー。今日はどんな落書き描こうかな。
ぼんやり考えながら、派手な生徒達の中に混じって、いつも通り、けだるく校門を通る。
この前は純の事ばかり考えてしまって、寝不足だったけど。
昨晩は少し慣れたのか、よく眠れた。
でも登校してすぐに、純の為にどんな落書きにするかを考えてる時点で、終わってると思う。
…やっぱ、動物かな。昨日も猫の落書き見て喜んでたし。
いや、でも。ドラゴンとか妖精とかファンタジックなものも好きだったしなぁ…。
迷うな。
「ちーひーろー!!」
そんな私の考え事は、地の底から聞こえてきたんじゃないかって位の、低い声に中断させられた。
「あ、亜依!!」
振り向かなくても誰だか分かった。
逃げられないように、ガシッと後ろから肩を強く掴まれる。
「昨日はよくも、大事な合コンを台なしにしてくれたね!」
グッと肩に爪が食い込む。
「痛いっ。痛いよっ」」
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