煙草(1/1)
目を閉じても、瞼のうらで
点滅していました。
消えない煙草の火種が、
踏切の警告灯みたいだった。
忘れたら許さないって言ってるの?
心配しなくてもちゃんと跡は残っている。
きみが私を抱きしめるのは、決まって
雨が降る夜だったこと。
さよならした次の日に気づいた。
一体何をそんなに怖がることがあるんだろう。
寂しい2人が寄り添っても、
余計に寂しさが増していくだけだよ。
花なんて枯れるから嫌いだと言ったのに、
君の愛はいつも押し付けがましかった。
朝が来ても手を繋いでいて欲しかった。
私に似合う花を探すより簡単だよ。
二度と会わないと言ったから、
もう、夢の中でさえ会えないの?