君のとりこ

▽君のとりこ (1/2)

あ、また…

私は、急いで下を向く

もう、何回
君と目があっただろう

隣の隣のクラスの君
サッカー部の君

私のクラスに
サッカー部が
多いからなのか
わからないけど

休み時間になるたびに、君は
私の教室の前の廊下に来る

友達と騒いでる君が見える
廊下側の自分の席が好き

だから、今日も窓を開けておくの

廊下に響くのは
君の大きな笑い声

本当、よく笑うよね

君は、いつも楽しそうな顔してる

…私の気も知らないでさ

はあ…もう
いつになったら
気づいてくれるのかな

…好きだよ、バカ

なんて思ったりして

ちらっと廊下の方を見る

あ……ほら

また、目、あった

やっぱり、私は下を向く

ああ、危ない

君の瞳に
すいこまれるところだった

…好き、本当に好き

そんな私は

今日も君のとりこ

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