社会人さんねんめ
[2019年 10月](2/14)
1020

会社の入り口に植えられた木が、そういえば金木犀だったと帰りがけに気づく。金木犀は、この控えめな橙の一体何処に、甘い香りを潜ませているんだろう。この数日ですっかり秋になった風を吸い込む。

こないだすごい人のライブを見た。
お店の有線で流れている曲しか知らなかったんだけど、すごく圧倒された。
今日ラグビーを見た時も、そう思ったのだけれど。
努力をしている人ってやっぱりかっこよくって美しくて眩しくて、嗚呼、すごいなあと思うよなあ。才能と努力は掛け合わせると最早暴力だよ。ダサくなりたくないから、わたしも努力できる人間になりたい。そんな気持ちも長く続かないのが人間だから、できるだけ長く続きますようにと願うけれど、明日の朝にはきっと忘れて、いつも通りに会社へ行くんだろうと、わたしは知っている。

一粒500円ぐらいのシャインマスカットをもらった。一房で数万円とかのそれは、とても甘い味がした。甘い、あまい味。お金の価値って難しいなあ、普通のシャインマスカットの方が美味しいと思うわたしは多分、これからも普通の幸せを手にして生きていくのだと知る。

帰り道にセンパイが、「このまま明日が来なけりゃ幸せだよなあ」と行ったから、「それ毎週末思ってんでしょ」 とわたしが言えば、センパイは愉快そうに笑った。




「今度、焼肉に行く?白州が入るらしいんだけど」
好きな人からのお誘いに、わたしは二つ返事で行きたい!と返す。わたしがお肉をすきなことはほとんどみんな知ってるけど、わたしが白州をすきってことは多分この人しか知らない。誘ってもらった時とっても嬉しかったから、わたしはこの人のことをちゃんとすきなんだなあと、とても安心した。 お店もね、わたしにとっては特別な場所なんだよ、
多分そんなことあの人には一生言わないけれど。

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