幼馴染の正体は実は腹黒王子様でした
4secret。[本性の王子様](1/42)
"千夏、俺は良いからブランコ乗っていいよ"
物心つく頃から一葉は優しい子だったと思う。
"千夏、重そうだから手伝うよ"
それは成長してからもで一葉はどんどんいい男に成長していったと思ってた。
そう、過去形。今現在千夏の唇を強引に奪っている一葉の目は優しいとは程遠いような表現しにくい目をしている。
「ん………………んっ…………」
戸惑いと恥ずかしさと混乱とよく分からない感情が千夏を支配する。
「一葉ぁ…………ハア…………も、やめ…………」
数分経ったか数秒なのか時間の感覚が定かではないがようやく解放される千夏。
「千夏が俺を好きになるまで止めねぇ」
口元に黒い笑みを浮かべそれはそれは愉しそうな表情の一葉。
「いや、あの…………幼馴染としては好きだったけど…………」
ーーーーー幼馴染として好きだったのはこの一葉ではなく"演技していたらしい一葉の方"だが。
「あーそうかそうか…………千夏は俺とキスしたいんだな」
不満げに笑うと一葉は再び千夏にキスをした。
(た、助けてえええぇ!!!!!)
ズルッと持たれていたドアから崩れ落ちる。心とは裏腹に身体が言う事を聞いてくれない感覚。自分から発せられる甘い声に戸惑う。
(頭がボーッとして…………何も……考えられ…………)
千夏の身体が一葉の方へと落ちる。
「…………………………………………」
「……………………………………えっ」
夢中で千夏に口づけしていた一葉はようやく異変に気付く。
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