100のお話
[4.みしみし※](1/3)
目を覚ますとそこは―
いつもは木々の間から入ってくる桜の花びらが
部屋いっぱいに広がっているのに
今日は薄暗く湿っている
桜の木々も薄緑をしているような気がする
ベットから起きると少女はいつものように
髪の毛を整えていく
木々の間から入ってくる光を浴びて
キラキラとピンク色の髪が輝いているのに
足まで伸びる髪は今は輝きを失っていた
気分を変えようと部屋を出ることにした
扉を開けると暗闇が広がっていた
闇の静けさに
恐る恐る足を踏み入れると
ひんやりとした風が足に絡みつく
幹の壁を触りながら進んでいくと
左右から風が流れてきた
どちらに行くか迷っていると
左の道に明かりが灯り始めた
そして少女は導かれるように
左の道へと進んでいく
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