Sevens外伝 明智鏡也編
[鏡也・イン・武田高](1/2)
次の日(月曜日)
鏡也は1時間程鏡の前から動かずに髪をいじった後、ゆっくりと家を出た。
鏡也達の親は共働き。
と言うより大学の教授の父・亘の手伝いに母・静。が毎日行っているため、今、家にいるのは兄弟だけなのだ。
ちなみに低血圧の上に昨日のトレーニングで疲れた辰丸は、熟睡中だ。
鏡也が家を出てしばらく自転車で進むと、前に小学校からの友人である上杉克巳(うえすぎかつみ)の姿が見える。
鏡也「克巳」
克巳「よう鏡也」
克巳はそう言いながらなんのためらいも無く鏡也の自転車に二人乗りした。
克巳「助かったぜ。昨日道場で足首捻挫してさ、歩くの怠かったんだ」
クルクルと右足を回すが、当然鏡也には見えない。
鏡也「へぇ〜〜。あ、そうだお前『ノワールエッジ』って知ってる?」
克巳「知ってるさ。あのラケット野郎だろ?」
鏡也「そうそうそいつって、はあ!?なんで知ってんだお前!」
克巳「え?だって戦ったから。一昨日の夕方に」
ためらい無く、あたかも当然だろ?とでも言うように、克巳は軽くそう言った。
鏡也(マジかよ。アイツが言ってたラケットを使わせた奴に克巳が入ってたとはな…………)
鏡也「なあかつ「そうだ鏡也。今日の英語終わってる?」
鏡也「…………終わってるぞ」
克巳「見してくんない?」
先程言葉が被ったことには触れもせずに、学校に着くまで克巳は来週に迫るテストの事をグチグチと言っていた。
鏡也「台本式だと、セリフかぶると一気に違和感あるな」
克巳「独り言か鏡也?」
鏡也「……………………」
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