芹沢くん、こっちむいてホイ!

どちら様、ですか?(1/33)















ーーーーーー
ーーーー





さてさてさてさて……




『ここ、テスト出るぞぉ!
メモっとけよ』



コツコツと黒板を書きながら
教師がそういうとみんな
慌ててメモを取る。



「……あぁ…?」


メモ……えっ?どこ?
ここって、どこ?

え?ええっ??



「……ぐぉっ……」



もうだめだぁ。



テスト……



テストテスト……



「テストぉぉ……(泣)」








あれから、平穏な日常が
戻ってきた。

足をかけられることも

下駄箱に何かが入ってることも

写真を取られることも


なんにもなく




ズコッ!!!!



「いったぁぁい!!!」


『……なんで、
何にもないところで
転べるのよ…

なんの才能?
いる?その才能。』



「ううっ、マオピン……

あぁ、血がぁ…

血が出てるよぉぉ……」





至って普通の毎日が
戻ってきました。





『あーあ、一華。

また転んだんか。
血がでてるじゃねーか。』


「うっうっ、マコぉ…」


『ほれ』



ポケットから絆創膏を
取り出し渡してくれた。



『貼っとけよ。

制服汚れっから。

ったく、バカめ。』


「うん」



口は悪いけど
面倒見がいいのよね。

これも、普通の日常……




『いや、アンタだわ。


あんたが一華甘やかして
んだわ。

どこの男子がポケットに
絆創膏常備してんだよ?


その口の悪さと、
行動が比例してねーし。』




呆れた顔のマオピンが
マコに

ビシッと人差し指を立てる。




『あ?

だってよ、こいつの
絆創膏の消費量

日本トップを争うぜ?


なぁ?』





なぁ?って

同意を求められても……



なんだよ、日本トップの
絆創膏使いって。




『まぁ、どうでもいいけど
試験前なんだし
大怪我しないでよ?

こないだみたいに
階段からダイブとか
勘弁してよね?

心臓いくつあっても
たんないわよ

一華といると。』





「……その節は

すみませんでした……」



ぐぬぬ。

あれだって
好きで落ちたわけでは
ないのに…



高宮が急に
わたしを呼ぶから……



「…あ……」




そうだ、思い出した。

すっかり忘れてたわ。



あれ以来
三年の先輩たちに
色々されることは
なくなったけれど


あいつの疑惑は
解けてないじゃん。


高宮が


グルだった……とか

主犯だったみたいな

そういうオチだよね?
これきっと

そういうパターンのやつ
だよね?



あの女、あんな見た目で
そのまんまのキャラやんけ。


















p.240




/559 n


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]