洒落怖シリーズ

[A坊主](1/7)



難ですね


昨年の夏、バイクでツーリングに行った。


三人で飛騨高山の山道をのんびり流して、休憩所の小屋みたいなのがあったのでそこで休んだ。


誰も居なかったのでAがベンチに横になり少し寝かせろと


俺とBは景色を見に遊歩道に進み、滝がある所に出たのでそこに30分位いた。


黒い雲が出てきたので降るかも知れない、すぐ出発しようと小屋に戻る。


Aが爆睡してたので、揺さ振って起こそうとするも起きない。


とうとう雷雨になってしまいそこで雨宿りする事に。


Bと談笑してると、傘をさした夫婦が入ってきた。


Bが「こんにちは、災難ですね」と話かけると旦那が「ええ、ほんとに」と。


俺とBが話をしている間その夫婦はずっと黙ったまま、寝てるAのほうを見てた。


気味が悪いので、それ以上見ないようにしてた。


大きい雷がどこかに落ちて俺とBがビクッとした。


突然Aがむくっと起き上がってこう言った。


A「今の顔見たか?」


何言ってるかわからず見回すと夫婦が居ない。


Bが慌てて外に出ると、俺たちの三台のバイクしかない。


凄い山奥なのに・・・


A「もう大丈夫、感じない。寝てたら、ヤバそうなの2匹入って来る気配がして起きたずっと見られてたから寝たふりしてた」


B「おれ、話しかけちゃったよ」


A「災難ですね、だろ。奴はええ、ほんとに、と答えたよな。あれお前の事を言ってたんだよ・・・」


Bはかなりビビッてたが


A「大丈夫、俺いつもこんな体験するから寝た振りしながら俺たちに憑かないよう念送ってた」


Aの職業が坊主でほんとよかった・・・



- 1 -
←back|next
⇒しおり
/536 n


[編集]

[←戻る]