キャバ嬢、秘密の恋
→[恋のはじまり](1/7)
飲み屋が建ち並ぶ街。
その中でも大きめのお店、キャバクラ「Bells」
あたしはこの店の新人キャスト渚(20)。
今日で働き始めて3ヶ月でようやく仕事に慣れて指名も取れるようになってきた。
「おはようございま-す。」
更衣室に入ると何人かの女の子がヘアメイクをしたりメイクをしていた。
「渚、おはよ!」
「ゆうさんおはよ」
ゆうさん(22)はあたしの2個上でなんでも相談できるお姉さん的存在。
「なぎちゃん聞いて〜昨日あっくんがね〜・・・」
あっくんってゆうのはゆうさんの彼氏で毎日ノロケや愚痴を聞かされる。
「渚も早くゆうさんみたいにノロケれるように彼氏つくるよ(笑)」
こんなたわいもない話をしながらヘアメイクをして着替えて更衣室を出た。
客席に出るとまだお客さんは入ってなかった。女の子が2、3人待機してて、あたしは端の席に座った。
「おはよう、渚」
「あっおはようございます」
話かけてきたのはあたしの担当のひろさん(27)。見た目は女ウケいい顔しててBellsでもひろさんを狙ってる子は多いらしい。
「渚、大事な話があるんだけど」
"大事な話"
そのワードにドキッとした。
「なに?もしかして渚クビ?(笑)」
ひろさんがあまりにも真剣な顔をしてたからついおどけてしまった。
「なんでだよ(笑)実はさ俺店移動になったんだよね。だから渚の担当は今日から違う人。」
あたしはひろさんを狙ったりしなかったし、恋愛感情とかなかったけど人として大好きだったから、凄くショックだった。
「えっえっやだよ!ひろさんじゃなきゃやだ-!!!」
「ごめんな、急に決まっちゃって。またちょくちょく店には来るかもしれないから、そんときはよろしくな。」
「やだね-。帰ってきても仲良くしてやるもんか。ば-かば-か、早くいっちゃえ!」
そういうとひろさんはごめんな、とだけ言い残して行ってしまった。
(寂しくなるなあ・・・)
ちょうどひろさんと入れ替わりで、見たことない人があたしの方にきた。
「渚さん?初めまして僚斗です。」
やばい。
やばいやばい。
10秒前まで頭の中を独占していたひろさんはもういなかった。
目の前にいるのはあたしのドストライク。もしかしてこの人が新しい担当?と期待しながら第一声を発した。
- 1 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品レビュー
⇒モバスペBook
[編集]
[←戻る]