世界で一番君が好き
★俺たちの一歩(1/6)
  大輝の決意





大輝Side――――




あの時――――、司の声が響いて、直哉の体に触れられなくなった。




コイツは、俺にとって何なんだ…?








「大輝先輩!大輝先輩の番ですよー。」


何を呑気にオセロとかしてるんだ、コイツは……。




いつの間にか、勝手に俺の家にまでしばしば遊びに来るようになった司。

あり得ない図々しさだ。




ウザイって言ってるのに、不屈の精神と愛で追い払っても追い払ってもついてくる。



段々追い払えなくなってきている俺が、信じられない。






「大輝先輩、降参?」


「……ハイハイ、降参。」


「ヤッター!!じゃあ、俺の勝ち!
大輝先輩罰ゲームね!」


「…そんなん約束してねえ。
お前、ウザイ。もう帰れ。」



「罰ゲームはねー。」

「俺の話を聞け!」


「…俺を抱いて下さい。」


「――――な、に……?」


「俺の勝ちだから、罰として、大輝先輩は俺を抱いて下さい。」


「…………バカか?何言ってんだお前…」






その時、司の体の震えに気付く。


ふざけたように言ってるけど、
コイツ、スゲー緊張してんじゃねえの…?







何なのコイツ…。

そんなんでいいの?
そこまでして俺に抱かれたいのか?

平気なふりしてまで。





理解できねえ…。








「お前、もう帰れ。そんでもう来んな。」



お前の存在は、何だか俺を、揺るがせる。

イヤなんだ…。








155前n[*][#]次n

/2275 n


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


back