世界で一番君が好き
★DAISUKI(1/2)
  司登場






「――――大輝先輩が好きなんです。
俺と付き合って下さい。」


「悪い。俺、好きな奴がいるンだわ。」






 ――***――



――大輝の章――






てか、今俺に告ってきたコイツ、誰だっけ。


見たことはあるな。


――――あ。思い出した。
前にカツアゲされてんの助けた奴か。

ま、どーでもいいけど…。



めんどくさいな…。あんま変な奴助けないようにしよ。




「……そうですか……。ゴメンなさい!でも、俺、これからも大輝先輩のこと、大好きです!」


へえ。何か結構、健気でいい奴っぽい。


「………大輝先輩。お前は男だろう、とか、気色悪い、とか、言わないんですね……。」



「ん?ああ。別にいいんじゃないの?
てか、俺の好きな奴も男だし。」




「えっ…!?」


「まあ、片想いだけどな。
お前、名前、何ての?」


「司ッ…!金井司です!」


「ふーん。司、ね。司、ま、お互い頑張ろーぜ。」




「え!?俺、頑張ってもいいんですか!?やった!!!

俺、毎日、先輩のサッカーの練習見に行きます!
いつか先輩に振り向いてもらえるように、頑張ります!!」

「うわ……。前言撤回。お前、めんどくさいわ…。

司、一刻も早く俺の事は忘れてくれ。
じゃ、俺はこれで。」




「嫌です…。俺、自分は男だからって99%あきらめてたけど、大輝先輩の好きな人も男なら、俺にだって、ちょっとはチャンスがある!」


「…お前、人の話をよく聞けって、親に教わらなかったか?うざいぞ。」


「だって、好きなんです!」


「だからそれは、お前の都合であって…」



溜め息をつく。


俺も同じか…。



「とにかく、俺には好きな奴がいる。だから、追いかけてもムダ。じゃな。」


何か、言っていて、俺に堪えるな。

直哉には祐希がいるんだから、追いかけてもムダ、みたいな。


畜生、こいつのせいで傷が深まった。




司、お互い、辛い相手を好きになっちまうもんだな。








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