性格悪い系彼氏


アイプチ美女の勘違い (1/10)








◆◆◆



「ねえ、松浦さん。一日中ずっとキモいんだけど」



昼休みに佐藤さんと教室で弁当を食べてる時、顔を歪めながらそう言われた。



「え、ま、マジすか」

「うん。ずっとにやけてると思ったら、急に思い出したようにぐあーって頭抱えたり。なるべく近寄りたくないほどキモい」

「ええっ、そんなに?」

「うん。どーせ生田さん絡みなんだろーけど」



マジ気持ち悪い、と嫌悪感たっぷりに言われる。相変わらず容赦がない。



いや、だって昨日、テスト明けの開放感と生田さんに会いたいって願望が見事にバッティングして頭おかしくなってたけど。

よく冷静に考えてみたら、私なんつーことしてたんだ。穴があったら掘りたい。違う、入りたい。


それに、生田さん、結局あの後夜まで、ああああ、あああああ。



「あああああ。ダメだ、思い出しただけでも死ぬ」

「……え、何。最後までやったとか?」

「……いや、事情があって、違うんだけど……」

「事情って、EDだったの?」

「違います。女の子の事情っ」

「ああ。血か」



佐藤さんはでかい唐揚げを一口で食べて言った。いや、オブラートに包もうよ。



「何、そんなすごいことされたの。猿轡して三角木馬に乗ってローソクにひんひん鳴きながら涎垂らして悦んだの」

「Mじゃないってば!違う、そういう、マニアックなことじゃなくて……」



昨日何時間もされたことを思い出し、頭を抱える。あの人、何気にすごい変態なんじゃないか。

うあああと悶えてると、佐藤さんから舌打ちが聴こえた。



「毎日愚痴ばっか聞かされてた身としては、やっとそんな風に幸せになってくれて嬉しい限りだよ。雨宮さん早くぶっ壊してくんないかな」

「……後半、本音が全然隠せてないんですけど」

「生田さんと既成事実とか作ってくれたらすごい面白いと思うんだけど」

「全然面白くないからね」



114

←前次→

→しおり
/193


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]