ブルーフィッシュ

*002(1/20)





「松永ー 誕生日どうするー」

「どうするって、なにがよ」

「今年もやっぱボーリングだよね 二人で」

「ねえ、なんで勝手に持月と過ごすってことになってんの」

「そりゃあ中学のときから毎年わたしが祝ってきたからね。で、今年もボーリングでいいよね」

「なんかそう聞くと、あたしすごく寂しいやつみたいに聞こえるね」

「なにいってんの わたしがいるじゃん」

わたしは自分の心臓らへんを手でとんとんしながら、できるだけ精一杯のどや顔で松永を見る

「ありがとう持月 気持ちだけ受け取っておくよ」

「まって なんでわたしが断られたみたいになってるの」

「いや、みたいじゃなくて実際断ってるからね」


突然の松永からの拒絶。

「さては松永。新しい女ができたのね」

「どうして女に限定するの
あたし今年の誕生日は由利くんと過ごすの。だから持月 ごめんなさい」


拒絶 裏切り。







「夏目くん」

わたしは後ろの席を振り返って、夏目くんをよんだ。

「なに持月」

「とうとう松永と由利くんが付き合うかもしれないよ」

「あー由利はかっこいいからなー松永も惚れるよなあ」


夏目くんに由利くんの話をすると、ぜったいに由利くんのこと、かっこいい って言う。

わたしはそんなこと言ってほしいわけじゃないのに


「まあ由利に告られて断る人はいないし」



由利くんは確かに夏目くんが言う通り、かっこいいし、すごく女の子からもてる。


夏目くんは。

夏目くんはどうなんだろう

夏目くんだって、少し子供っぽいところあるけどかっこいいし、笑顔だって爽やかで、
きっと夏目くんのこと 嫌いな人、いないと思う。

そう考えてみると、夏目くんももしかしたら女の子からもててるのかな



いやだなあ。









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