秘密の王子様とお姫様
[その六](1/13)

「奏さん、卒業おめでとうございます」
海翔がいなくなって約半年くらいたち、

私達は卒業した。

式の前に生徒会室に行くと、千歳くん達が花束を渡してくれた。

本当は海翔もいたはずだったのに....と思うと泣けてくるが、そんなことは思っても仕方がない。

「桐生先輩、今日で最後です。」
蒼井くんの言葉は色々な意味があって。

学校が最後。蒼井くんが隣にいるのが最後。

海翔が居なくなってから、本当に蒼井くんにはお世話になった。

海翔がいなくて寂しい時いつも隣にいてくれた
泣きたくなったとき、支えてくれた

蒼井くんには感謝しかないんだ。

「今までありがとうね。今日ね橘邸行ってみようかなって思うんだ。」

そう言うと、蒼井くんが嬉しそうに頷いた。

「ちゃんと気持ち伝えてきて下さい。」

うん、そうするつもりだよ。



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