「奏さん、卒業おめでとうございます」
海翔がいなくなって約半年くらいたち、
私達は卒業した。
式の前に生徒会室に行くと、千歳くん達が花束を渡してくれた。
本当は海翔もいたはずだったのに....と思うと泣けてくるが、そんなことは思っても仕方がない。
「桐生先輩、今日で最後です。」
蒼井くんの言葉は色々な意味があって。
学校が最後。蒼井くんが隣にいるのが最後。
海翔が居なくなってから、本当に蒼井くんにはお世話になった。
海翔がいなくて寂しい時いつも隣にいてくれた
泣きたくなったとき、支えてくれた
蒼井くんには感謝しかないんだ。
「今までありがとうね。今日ね橘邸行ってみようかなって思うんだ。」
そう言うと、蒼井くんが嬉しそうに頷いた。
「ちゃんと気持ち伝えてきて下さい。」
うん、そうするつもりだよ。