秘密の王子様とお姫様
[その四](1/7)

生徒会の仕事をほぼ譲り、後は選挙を待つだけとなったころ。


「奏、呼び出し」
ニヤニヤした千尋。
....って呼び出し?え、誰?私なんかしたっけ。

「一年の男の子だよ。しかもイケメン」
なおさら私なにかした....?

「ちょ、早く行きなよー。待ってるよ?」
え、なんで千尋そんな嬉しそうなわけ?

怖いけど、
その子をスルーするわけにもいかず....

「なんでしょうか....」
出入り口にいたその子のとこへ。
あ、なるほど。千尋がイケメンって言った意味が分かるかも。可愛い系だ。

「桐生先輩。あの、ちょっと聞きたいことがあって。」
耳貸してもらっていいですか?

と言われたので、彼に近づいた。

耳元に近づいた彼は、私の耳に手を当て無声音でこう言った。


「桐生先輩って、桐生財閥の令嬢ですよね」




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