生徒会の仕事をほぼ譲り、後は選挙を待つだけとなったころ。
「奏、呼び出し」
ニヤニヤした千尋。
....って呼び出し?え、誰?私なんかしたっけ。
「一年の男の子だよ。しかもイケメン」
なおさら私なにかした....?
「ちょ、早く行きなよー。待ってるよ?」
え、なんで千尋そんな嬉しそうなわけ?
怖いけど、
その子をスルーするわけにもいかず....
「なんでしょうか....」
出入り口にいたその子のとこへ。
あ、なるほど。千尋がイケメンって言った意味が分かるかも。可愛い系だ。
「桐生先輩。あの、ちょっと聞きたいことがあって。」
耳貸してもらっていいですか?
と言われたので、彼に近づいた。
耳元に近づいた彼は、私の耳に手を当て無声音でこう言った。
「桐生先輩って、桐生財閥の令嬢ですよね」