・・・でかくない?
「入って」
「おじゃまします・・・」
予想以上に大きくて広い成瀬くんのお家に戸惑う。君はお金持ちだったのかい・・・
しかも、家の中から生活音が聞こえてこないということに気が付いた。・・・誰もいない?
「ご両親は?」
「仕事だけど」
サラリと言う成瀬くん。鈍感?もしかして遊び人?いや、それはないか。今時普通?私が意識しすぎなのかな。
「そ、そうなんだ」
もう、来てしまった以上は仕方ない。さすがに襲われたり・・・なんてことはないだろうけど、一応警戒しとこう。
チャリン
ふと、聞こえる鈴の音。音がした方向を見ると、リビングの扉からねこちゃんが覗いていた。
「か、かわいい!」
さっきまでの警戒心はどこへやら、私はパタパタとねこちゃんの元へ駆け寄った。