【さつきとじん】
[第7話『血塗れの夕焼け』](1/9)


狂乱じみた6限の授業を終えるチャイムが鳴る。
その頃には学校中が大騒ぎで、特に僕のクラスは収拾がつかない程に荒れていた。

土淵さんと久遠寺、西川先生は救急車に運ばれて病院に行った。
後藤田先生は行方不明で、どこにいるか解らない。

僕らは教室で教頭先生に話を聞かれたり、警察官が来て話を聞かれたりとなかなか帰してもらえないでいる。

「いつになったら帰れるんですか!」

不満げに益田が言った。
聞かれた教頭先生もおたおたと落ち着かない。

「もう少し待ってね。
まだ外は危ないかもしれないから」

後藤田先生は学校にはもういないのかもしれない。
教室から僕らは出られなかったが、様々な情報が僕の耳に入ってくる。

曰く、後藤田先生は既に学園の外にいる。
曰く、先程の警報は火災報知器の音で、後藤田先生がトイレの中で脱法ハーブを吸って警報が鳴ったという。

そういえば今朝土淵さん達が後藤田先生から変な匂いがすると言っていた。
脱法ハーブという線は当たっているかもしれない。

LINEの情報も馬鹿にならないものだ。

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