HOCUS POCUS
[02](1/10)
高校2年の冬
友香里と付き合って1年が経とうとしていた。

だけど、お互い大会が迫り部活が忙しく、お互いの時間を作れないでいた。

疲れて家に帰り、ベットに横になって頭に浮かぶのは宇野ちゃんの笑顔だった。
(俺サイテーだな…)
そのまま寝落ちした。

数日後、いつも通り部活終わり真っ直ぐ家に帰り、部屋にいると電話がかかってきた。

後「もしもし。隆弘?今から会えないかな?」

西「いいよ。」

いつも行ってた公園に待ち合わせた。
元気のない友香里の声から嫌な予感がした。

西「久しぶりだね笑」

後「そうだね」

西「調子どう?」

後「ぼちぼちかな笑」

あまり会話が弾まず、沈黙が目立つ。

後「ねぇ『にっしー』。別れよっか。」

西「え?」

後「今のにっしーには私は映ってないでしょ?」

すぐに否定できなかった。言葉が出なかった。

後「にっしーのことずっと見てたからわかるもん。宇野ちゃんこと忘れられてない。だから別れよ。」

西「ごめん…実はそうなんだ。ほんとにごめん。」

後「謝らないでよ笑 忘れさせるって言ったの私なんだし。楽しかったよ!」

西「俺も楽しかった。一時的だったけど本気で友香里のこと好きだった。友香里に恋愛を教わった。ほんとに感謝してる。」

後「うん。私も感謝してる。これからはまた友達としてよろしくね。バイバイ。」

西「バイバイ。」

帰り道、友香里との思い出を振り返ったら涙が止まらなかった。
サイテーな彼氏だった。
この涙を糧に宇野ちゃんに気持ちを伝えられる日が来るのかな?


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