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「あの、本当に大丈夫です。
一人で学校に行けますから」


「そういう訳にはいかないよ。
君は僕の大事な婚約者なんだから」


朝から私は藤堂さんと押し問答をしていた。


「でも、急に車で登校なんて、
目立って恥ずかしいです」


電車で登校すると言う私に、
藤堂さんは「車で登校しなさい」の一点張りだ。


「何が恥ずかしいの?
僕も学校はずっと車で登校してたよ」


不思議そうに藤堂さんは聞き返す。


「そりゃあ藤堂さんみたいに
元からこんな生活してれば
普通のことかもしれないですけど、
私は今まで通りが良いんです。
ごめんなさい」


「分かった」


やっと分かってくれた。
そう安心したら、
「学校の少し手前で降ろせば目立たないよね」
と良い案だ、という風に言った。


藤堂さんに譲る気は全く無いらしい。


これ以上言っても無駄だと諦めて、
私はため息をついて、
「分かりました」と言った。

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