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(藤堂京介side)



『そうか、
やっと見つかったか……』


甘い、端正な顔立ちの藤堂京介は、
秘蔵のウイスキーを
美味しそうに喉に流しながら、
クッと笑った。


『はい、まさか取引先の娘だとは』


そう答えた男、
室川零(れい)は淡々と話を続ける。


『手に入れやすいよう、
すでに手配はしておきました』


『いつもながら
僕の秘書は優秀だな』


『恐れ入ります。
ただ彼女は幼なじみと
恋人関係にあるようです』


『そうか、
少し面倒になるかな。
まあでもなんとかなるか。
話をしに行く前に、
一度見に行ってこようかな。
明日見に行く時間ある?』


『スケジュールは大丈夫です。
しかし明日は交通事故で亡くなった、
姉の告別式みたいですが』


『場所は分かる?』


『はい』


『じゃあ明日、見に行こうか』


『かしこまりました。
では本日はこれで
失礼させていただきます』


『うん、お疲れさま』


室川は綺麗なお辞儀をして
部屋を出ていった。


京介は調査書を見ながら、
子供がオモチャを手に入れた時のような
笑みを浮かべていた。










『如月、友美。
本当にそっくりだ……』




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