渡りの果て 前編

 011 甘みの法度 1/5 

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夕食が終り、片付けを手伝ってから部屋へ戻ると、沖田君は部屋に居なくて、文机上の私の手帳に紙袋が載っていた


これは、私が開けてもいいと言う事だよね?


紙袋を開けてみると、かりん糖だ!


え?


誰が置いたんだろう?


もらっていいのかな?


私は、かりん糖を元に戻して、叔父さんの部屋へ行った


中では、叔父さんと近藤さんと山南さんの声がしてた


会議中だったら邪魔になるかなぁと声を掛けるのをためらっていたら、突然障子が開いて、


「やはり、君でしたか」


と山南さんが出てきた


「盗み聞きにしては、気配をまったく消してないし、かと言って、声を掛けるわけでもなく、立ち去る様子も無い

そんな事をするのは、君くらいでしょう?」


「盗み聞きって、とんでもないです!

叔父さんにお訊きしたい事があったんですが、御話し中だったから、声を掛けたら邪魔になるかなぁと思って、迷ってただけなんですよ」


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