渡りの果て 前編
004 詮議 1/19
━━━━━━━━━━━━━━━
朝食後、私は一旦部屋に戻された
叔父さん達は私の事でだろう『議する事がある』んだそうだ
今、私に付いているのは、肥ってるんじゃないけど、ゴツイと言うかどっしりと言うか漬物石みたいな感じの人
多分、島田魁さんかな
だって、叔父さんが『おい島田!』って呼びつけてたし、こんなゴツイ島田さんは隊内に二人はいないだろうから
「私、田中ひろと言います
あの、そんな隅(すみ)に居ないで、こちらで話しませんか?」
自己紹介したんだけど、島田さんは返してくれないどころかずっと黙って、部屋の隅で胡坐(あぐら)をかき、私を見てる
私は仕方なく、隅に居る島田さんの前に同じように胡坐をかいて座った
「あの〜、島田さんって『島田魁』さんですよね?」
「・・・!」
答えてくれない・・・でも、ちょっとびっくりしたのか目がピクってした
「島田さんって、甘いものが大好きなんですよね!」
おっ!
また、ピクっとした!
「う〜ん、バイクに入れたバックパックの中に、キャンディーとクッキーとポテチがあるんだけどな・・・
でも、今、取りに行っちゃだめですよね?」
「・・・」
話そうよ〜!
- 40 -━━━━━━━━━━━━━━━
≪|≫━━━━━━━━━━━━━━━
栞
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
━━━━━━━━━━━━━━━
編
━━━━━━━━━━━━━━━
戻