少女と・・・
[少女パート 『接触』](1/1)
少女と少女の母が
仲睦まじく会話をしている。
「これを、お祖母ちゃんの所に届ければいいのね」
「えぇ。それじゃぁ、お願いね。」
「うん」
「あ、メアリー。森には、恐ろしい狼がいるから気を付けるのよ」
「うん、わかったわ。行ってきます」
メアリーはそう言って、お祖母ちゃんの家へと向かい、深い森の中に入っていきました。
「うふふ、お母さんが作ったパウンドケーキは美味しいから、きっと、お祖母ちゃんも喜ぶわ」
メアリーは嬉しそうに森の中を歩き続けました。
すると、途中の道で沢山のきれいな花が咲くお花畑を見つけたのです。
「うわ〜、綺麗!あ、折角だから、お祖母ちゃんにお花も持って行ってあげよう」
メアリーは、お母さんから渡されたバスケットを端に置き、せっせと色とりどりの花を摘み始めました。
―ガサガサ
メアリーは、音のする方へと向きました。
「な、なに?」
お花畑の奥の草むらから出てきたのは、熊だったのです。
「!!!!」
現れたのは、小柄な小さな子熊ですが、まだ小さくても熊は危険です。
そして、熊自身もメアリーの事を獲物を狙うかのような鋭い目で見ていました。
メアリーは、顔を青ざめました。
逃げたくても、恐怖で体が動きませんでした。
熊は、メアリーに少しずつ近づいています。
その時です。
メアリーが恐怖で目を瞑った瞬間に、メアリーの後ろから茶色の毛をまとい、大きな口と鋭い爪と牙を持つ狼が現れたのです。
狼は、子熊に向かい突進しました。
そして、鋭い爪を振り下ろし、大きな鳴き声で威嚇しました。
子熊は、狼に恐怖を感じ逃げていきました。
メアリーは、その一部始終を見ていました。
「・・・おおかみ?」
メアリーが、そう小さく呟くと、狼の耳はピクリと反応し、狼はメアリーの方を向きました。
「!!!」
メアリーは、またもや恐怖に陥りました。
しかし、先程の出来事を思い出しました。
・・・・・・?
(私を…助けてくれたの?)
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