西暦２０１８年

[日本](1/9)

バブルが地上を浸食し始めて三日が経った。

それはもう地球の殆どを占め、残すは南緯15度から北緯60度の間のみとなった。

世界中の交通網は完全に麻痺し、人々の間にピリピリしたものが張り詰めていた。

耐えられなくなったある国では、核をそれに打ち込んで見せた。

しかし、それは何ともないように、あっさりとその国をものの三時間で飲み込んだのだった。

あれだけ平和で有名だった日本でも、どうせ死ぬならと、強盗や殺人が恐ろしいほど増えた。

僅か数日余りで、世界から秩序が消えたのだ。

普段は温厚な人でも、追い詰められた途端に冷徹な笑みを浮かべ、容赦なく人を傷付ける。

その事実が、陸を何よりも震撼させた。

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