西暦2018年
[プロローグ](1/5)

2013年10月13日。


中学校生活にも慣れた今日この頃、もうすぐある体育祭へ向け、俺たちは放課後に看板作りに励んでいる。


「おい、龍。なにケータイなんか持ってきてんだよ。取り上げられんぞ?」


「へーきへーき。ここ四階だから、あんま先生来ねーし。今会議中だし」


ケータイのテレビを見て、看板作りをサボっている友人の中谷 龍(ナカタニ リョウ)を横目に俺は仕上げとなる言葉を書き終えた。


『限界突破で目指せ優勝! 皆で優笑!』


結局、看板を描いたのは、俺とはすみだけ。


健人は絵の具やら筆やらを取りに走り回ってくれたから良しとして、問題は龍だ。


「てめぇ、後で運ぶのは手伝えよな」


「へいへーい。ま、先生たちまだ職員会議中だし、のんびりテレビでも見ましょうや」


「ったく」


龍はにこやかに机から降りると、俺らにケータイ画面を見せてきた。


「はーい! これでお前らもどうざーい!」


「死ね」


はすみが龍に言い放つと、龍はやっと大人しくなった。




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