@Kagamine
…[思春期少年(※)](1/8)


最近、俺には悩みがある。
リンのことだ。



「レーンっ」


「わっちょっ、リン!」


いつもの光景。
帰宅すると、リンはほぼ必ずといっていいほど俺に抱きついてくるんだ。


「聞いてっ、今日マスターがね、…」


楽しそうに今日あったことを話すリン。


「とりあえず離れようか、リンさん」


首に回された手をほどこうとすると、より力を強められる。


「やだ〜レン気持ちいいもん」


俺の髪にすり寄る。
思わずびくっとする俺。


…いや、そうじゃなくて。
その、いわゆる「あててんのよ」状態なわけでして。

いくらないと言われているリンのものでも、これだけひっつかれるとさすがにダイレクトなんですよ。




「リンっ、ちょっと、まじで離れてっ」


なんとか腕をほどいてリンを離す


「むー…」

明らかに落ち込むリン。
頭の大きいリボンも同じように項垂れる。


「…リン?」


ちょっときつく言い過ぎたかな?
俯くリンを下から覗きこむ。

と、にやっと笑うリンがいた。


「だが断ーるっ!」


「う、わっ」


ばっと勢いよく抱きついてきたから、支えられずに後ろに倒れた。
容赦なしだな、おい。


「ってぇー」


「えへへ、レンが悪いんだよ?」


レンに拒否する権利はないんだからっ、と言いながら俺の胸の上で満足そうに笑うリン。


リンは何もわかっていない。

俺だって男なんだよ?




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