月の欠片 -片羽の天使-
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[みち。](1/15)

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***里杏side*******



転入して間もなく、あたしには彼氏ができた。


「おはよう、龍くん!」

「おう。」


告白されて付き合った
1つ年上の龍君は、文句なしの彼氏。

もちろんかっこいいし
優しくて成績優秀スポーツ万能。

あたしにぴったりの人。


「里杏、鞄貸しな。俺が持っててやるよ。」

「えっ?そんなの悪いよ。」

「それくらい男にやらせろ。
それに、手、繋げないだろ?」

「う、うん…」


顔が火照るのを感じながら、
二人で学校への道を歩く。


どうして龍君はこんなにかっこいいのだろうか。


繋いだ手がやけに熱くて、
あたしは羞恥に目を逸らした。


「ったく…なんで里杏はこんなに可愛いかなあ…」

「そんなことっ…!」

龍君の、困ったように頭をかく仕草がたまらない。

この人が彼氏で本当に良かったと思う。

「里杏、顔真っ赤。」


茶化すように龍くんが言った。


…龍君のせいだもん。


あたしは繋がれた手をぎゅっと握った。


「でも龍くんの顔も赤いよ…?」


ちらっと下から覗き込むと、
龍くんは顔を背けてしまう。

「ば、ばかっ、こっち見んな。
前むいて歩かねぇと躓くぞ。」


こうやって毎日登校しているあたしたち。


みんな美男美女のカップルだねって言うけど、
見た目で選んだわけじゃない。


その点も否定はできないけれど。

あたしと龍くんが並んで歩けば、
みんなが振り返る。










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