かけてはいけない電話番号


聞イテはいけない(1/21)




あの日から、私は学校へは行っていない。

まだ、信じられないの。認めたくないの。ふたりの死を。



私はベッドの上に仰向けになって、ただぼんやりと天井を眺めている。


―ヴーッヴーッヴーッ…


突然メールが届き、携帯が小刻みに震える。私は枕元にある携帯に手を伸ばし、開いた。


――――――――――――
from 希衣
――――――――――――

ごはん食べれる?



    ―END―

――――――――――――


妹の希衣だ。

家族とコミュニケーションとるにもこんな状態だもん。笑っちゃう。

私は「いらない」とだけ打って送信ボタンを押した。

栄華と望美はどうしてるのかな…。

きっと学校では騒ぎになってるんだろうな…。

色々な考えが頭を駆け巡るけど、最終的にはどれも「まあいっか」でその考えを打ち切ってしまう。

私は体を横に向かせ、窓の外を見る。

窓の外は真っ赤な夕焼け色に染まっていて綺麗。

私は立ち上がり、カーテンを閉めた。

夕焼けは綺麗で、見るのは好きだったけど、今は嫌い。というか今は血を連想させる赤色が好きではない。

私は壁際にうずくまってぎゅっと力いっぱい目を瞑った。


- 29 -
前n[*][#]次n
bookmark
/116 n


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]