璃央と麻央が異変に気づくのに、そう時間はかからなかった。
どちらが遠くまで泳げるか勝負していて、折り返し地点に入ったときだった。
「おっおい!!ガボッ……ゲホゲホッ」
泳いでる最中に璃央は口を開き、海水を飲み込んでしまった。
「ちょ、兄さん大丈夫?」
「げ…げほっ…それどころじゃねぇ!岸見て見ろ!!」
璃央に言われて麻央は岸を見た。
それは、金髪の男2人が雫を連れ去る姿だった。
「やばっ、兄さん急ごう!」
<メイド誘拐事件>
2人は慌てて岸まで泳いだ。
だが時既に遅し。
雫は連れ去られた後だった。
璃央は砂浜に座り込み、地面を強く殴った。
「チクショウ!!っんでプライベートビーチに勝手に人が入り込んでんだよ」
「兄さん。あの2人はあっちの方に行ったよね?……玲奈は?」
そこで麻央は玲奈もいない事に気づいた。
「――麻央さま?」
後ろから玲奈の声がした。
麻央は振り返り、
「今までドコにいたの?!」
と半ば叫ぶように言った。
「えっ、お手洗いです」
「―――まずいよ、雫がさらわれた。至急警察に連絡して!!」
緊迫した雰囲気を読みとったのか、玲奈は頷くと走っていった。
そして麻央は璃央に向き直る。
「兄さん。僕たちも探しに行こう!!」
―――あれ?こいつってこんなにしっかりしてたか?
璃央は少し疑問に思ったが、先を行く麻央を追っかけた。
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