僕の神主修行
[7 懐かしき仲間達](1/59)
「命葉君…」
「んー?」
「私、なんでこんなことしてるんだっけ」
「人の仕事をこんなこと扱いとは失礼だな。また都市伝説に付き合う代わりに仕事を手伝うって約束だろ」
「もぉやだぁ!同じ作業の繰り返しだもの!」
「そんなこと言うんだったら食品工場にでも行ってきなよ。同じ動きしかしてないから」
「確かにあれは精神的にもやられそうだよね」
「…ここじゃストーブも焚いてるし空気が乾燥してる上に汚くなっちゃったかな。外に出て気分転換なんかどう?雨零さんもいるからなにかおしゃべりでも」
「寒いから却下!」
「雨零さん…。じゃあ窓開ける?換気換気」
「寒いから開けないで!」
「じゃあどうすればいいの!!」
「何もしない!」
「ええ!!!」

12月。

今年も残り1ヶ月。

今までお守りやお札なんかを作ってきたけど、それはまだ余裕があったからダラダラしていて、流石にやばいと急いで作っていた。

それでちょうどいい時に来てくれたのが陽南ちゃん。

また都市伝説の話をしに来たんだけど、そろそろ僕もシャレにならないほど忙しくなってきたので、それを手伝ってくれたら付き合ってやるという約束をした。

けれどやはり陽南ちゃんはまだ若い学生。

神にすがるためのお守りやお札を作る作業にはすぐ飽きてしまった様だった。

そもそも炎玉さんを見てるんだから神様は信じてはいるんだろうけれど…。

こういうもののありがたみはわかって欲しいなぁ…。

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