あの日から、さとるがあたしに近付くことはなくなった。そりゃ、あんなとこみたら誰もが援助って思うよね。
見損なった?がっかりした?呆れた?
……どう思われようと、あたしにはどうしようもないじゃん……。
って、何あたし病んじゃってんの?
さとるが付きまとわないってことは、放課後が動きやすいんだ。だから、いいことでしょ?あたしにとって、好都合でしょ?
上の空で聞いている先生の声が、どんどん遠くに聞こえてくる。三階から見る窓の外からは、少し肌寒いくらいの、でも爽やかな秋の風がふきこむ。
あたしって、なんだか空っぽな気がする…。青春ってこともわかんないし、純情ってこともわかんない。かといって、大人でもない……と思う。
こんなんでいいんでしょうか?
こんなんで、まともな大人になれんのかな、あたし。
頬づえを尽きながら出た溜め息を隠すように下を向いて髪で顔を隠した。
今日は、佐藤さんと会わなきゃ―…
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